〜夫婦で協力〜 父親育児基礎講座 シリーズは、
新生児〜生後4ヶ月頃を対象に「里帰りから戻ってきたママのために、自分も育児を頑張りたい!」「普段は仕事で忙しく育児の全体像がわかっていない」というパパのために、日々のルーティーンで行う育児をお伝えしていきます!
今回のテーマは「授乳」。前の記事【授乳の基礎と完全母乳を理解!】では授乳の基礎と完全母乳について解説しましたが、本記事では混合栄養と完全ミルクの場合について詳しく解説していきます。前の記事から見たい方は下のリンクからどうぞ。

母乳育児も素晴らしいですが、ミルク育児には、パパが積極的に育児に参加できるという大きなメリットがあります。「ミルク作りって間違えそう…」と不安に思うかもしれませんが、大丈夫!この記事を読めば、きっと自信を持ってミルク作りができるようになります!
〜混合栄養〜 母乳とミルク、それぞれの良いとこ取り
「母乳で育てたい気持ちはあるけれど、 母乳をあげるのは大変…」「仕事に復帰するから、日中はミルクにしたい」そんなママにおすすめなのが、混合栄養です。混合栄養とは、母乳とミルクを組み合わせて赤ちゃんを育てる方法。それぞれのメリットを活かし、デメリットを補い合うことができる、賢い選択肢と言えるでしょう。
例えば、日中はママが母乳をあげて、夜間はパパがミルクを担当する。あるいは、平日は母乳、週末はパパがミルクをあげる、というように、ライフスタイルに合わせて柔軟に対応できます。混合栄養にすることで、ママは自分の時間を持つことができ、心に余裕が生まれます。また、パパも授乳を通して赤ちゃんと触れ合う時間が増え、育児への自信と愛着が深まるでしょう。
ただし、混合栄養にはいくつか注意点もあります。ミルクを与えすぎると、母乳の分泌量が減ってしまうことがあります。我が家も混合栄養をしていましたが、『はは』も母乳が出づらく悩んでいました。
また、赤ちゃんによっては、母乳と哺乳瓶の乳首の感触の違いに戸惑い、哺乳瓶を嫌がることもあります。母乳実感の哺乳瓶では「母乳相談室」という母乳哺乳に近い乳首形状もあるので、母乳外来で助産師さんにアドバイスを受けてから必要により使ってみるのもいいかもしれません。
ちなみに購入できる場所は大きな病院の売店かネット通販のみのようです。
我が家も導入を検討しましたが、助産師さんに相談のうえ使用しませんでした。
先に購入するのではなく、「ママに母乳相談室という商品があるから助産師さんに相談してみよう」と提案してみてください。(もし購入するとなったときは、こちらのリンクを経由してもらえると嬉しいです!笑)

以上より、混合栄養を始める際は、赤ちゃんの様子をよく観察しながらママの身体とも相談し、母乳とミルクのバランスを調整していくことが大切です。
ミルク作りの基本 〜安全・確実な調乳のために〜
さて、いよいよミルク作りの実践です!ミルク作りは、慣れてしまえば決して難しくありません。しかし、正しい手順を守らなければ安全ではないミルクができてしまいます。なぜ安全ではないかを理解することが重要です。
新米パパの僕も、最初はドキドキしながらミルクを作っていました。「お湯の温度は?」「粉ミルクの量は?」「ちゃんと溶けてるかな?」…不安なことばかりでした。でも、『はは』と試行錯誤しながら何度も練習するうちに、自信を持ってミルクを作れるようになりました。
そして、「泣く前の準備」が、スムーズな授乳への近道です。赤ちゃんがお腹を空かせて泣き出す前に、準備を始めるのがポイント。
赤ちゃんは、お腹が空くと手足をバタバタさせたり、口をモグモグさせたりするサインを出します。「フニャフニャ」と泣き始める前の、そのサインを見逃さないようにしましょう。
口の横(ほっぺたあたり)を指でツンツンするとその指を咥えようと追ってくる感じがあれば、大抵はお腹が空いています。
安全なミルクとは?
安全なミルク作りで大切なのは、「清潔」と「温度」です。粉ミルクの場合は、一度沸騰させたお湯を70℃以上に保ち溶かすことにより、粉ミルクに含まれる可能性のある細菌を殺菌する必要があります。これは、厚生労働省のガイドラインでも推奨されています。
早く冷ましたいという気持ちからぬるめのお湯で溶かしたり、ちょっとこぼしたので出来上がってから粉を足すなどはNGですので注意です!
いざ!ミルク作りの手順
粉ミルクを先に入れるか、お湯を先にいれるかはメーカーによって異なります。2.と3.は各メーカーの作り方を参照してください。
信じられないかもしれないですが、粉ミルクは何杯入れたか忘れます。粉ミルクを先に入れるほうがオススメです。(お湯が先は、メジャーな粉ミルクでは雪印メグミルクのぴゅあだけだと把握しています)
- 準備: まずは、手を石鹸でよく洗い、清潔なタオルで拭きます。我が家のおすすめはペーパータオルです。そして、消毒済みの哺乳瓶、粉ミルク、お湯(70℃以上:我が家では80℃!)を用意します。ミルクの量が多くなってきたら、清潔な軟水のミネラルウォーター(または一度沸騰させたお湯を冷ましたもの)も用意しておきます。
- 粉ミルクを計量: 付属のスプーンで、粉ミルクを正確に計量し、哺乳瓶に入れます。誰かと話しながらやると何杯入れたかわからなくなる時が絶対に来ます。一時的に会話をやめ、「1,2,3,…」と入れた数を数えながら入れることを強くお勧めします。
- お湯を注ぐ: 一度沸騰させたお湯を70℃以上に保ち、哺乳瓶にお湯を注ぎます(やけどに注意!)。※おすすめのお湯の量は手順の下部に早見表を添付します!
- 溶かす: 乳首とキャップをしっかり閉め、哺乳瓶を円を描くように優しく振って、粉ミルクを完全に溶かします。激しく振ると泡立ってしまい、赤ちゃんがお腹に空気を溜めやすくなるので、注意が必要です。
『ちち』は蓋を閉めずに振ってしまっています。笑 - 水を足す: 必要により清潔な軟水のミネラルウォーターや一度沸騰させて冷ました水を加え、最終的な調乳量にします。
- 月齢別ミルクの溶かし方のコツ:生後間もない頃(特に1ヶ月頃まで)はミルクの量が少ないため比較的冷めるのが早いです。そのため、特に急いでいる時でなければすべてお湯で粉ミルクを溶かしても良いです! 調乳量が80mlを超えるようになってきたら冷めるのが遅くなりますので、清潔な軟水のミネラルウォーターを加えて温度調整すると、早く冷ますことができます。ミネラルウォーターは冷蔵庫保管が清潔かつ早く冷めるのでおすすめです。
- 冷ます: 哺乳瓶を流水や氷水で冷まし、人肌程度(40℃前後)まで温度を下げます。我が家では淡路屋さん駅弁「ひっぱりだこ飯」の器で冷やしています。
- 温度確認: 最後に、手首の内側にミルクを数滴たらし、熱すぎないか、冷たすぎないかを確認します。我が家では非接触型の温度計で測っていました。ちなみにその温度計で測定したところ、哺乳瓶の表面温度+2℃がミルクの温度でした。

手間がなく、早く冷めやすい ミルクの調乳量、お湯、水の量の目安
ミルクの調乳量 (ml) | お湯の量(80度がオススメ) | 水の量(冷蔵庫で保管がオススメ) |
---|---|---|
40 | 40mlの目盛りまで | 0(お湯一発のほうが楽!) |
60 | 60mlの目盛りまで | 0(お湯一発のほうが楽!) |
80 | 80mlの目盛りまで | 0(お湯一発のほうが楽!) |
100 | 60mlの目盛りまで | 100mlの目盛りまで |
120 | 70mlの目盛りまで | 120mlの目盛りまで |
140 | 90mlの目盛りまで | 140mlの目盛りまで |
160 | 100mlの目盛りまで | 160mlの目盛りまで |
180 | 110mlの目盛りまで | 180mlの目盛りまで |
200 | 130mlの目盛りまで | 200mlの目盛りまで |
ミルク量は足りているのか?
特に神経質な方は、最初の頃はこれが1番頭を悩ませる話題です。
ミルク缶に書いてある規定量には達していないし、足りたいるのかもわからない、、
完全ミルクならまだわかりやすいのですが、混合栄養だと余計にわからなくなります。
まずは、1ヶ月検診や母乳外来で助産師さんと話せるのであれば、相談することが最も確実で早いです。
私達も聞いてもまた気になってしまい、1ヶ月半くらいまでで5〜6回ミルク量に関する質問をしていた覚えがあります。
そこから得たポイントを参考までにお伝えすると、以下の感じです。
- 乳児身体発育曲線と比較して、体重の傾きが大きすぎor小さすぎていないか
- 吐きこぼしが多くないか (ミルクが多すぎる可能性あり!)
- いつも以上に泣き方が強くないか、泣いているときにミルクを探している仕草はないか (ミルクが少なすぎる可能性!)
このような項目に当てはまらなければ今のミルク量で適正であることが多いです。
また1回あたり、1日あたりのミルク量についても、多少増減しても問題はなかったです。
初めの頃『ちち』も『はは』も「1回量10ml多く作りすぎちゃった!」とかで作り直そうか悩んでいた時期もありましたが、結論としては必要はありません。
60ml作るところを100ml使ってしまった、、は流石に考えるかもしれませんが(笑)、感覚的には+20ml(60mlでいえば80ml)くらいになっても大丈夫です。飲めなそうだったり吐きこぼしが多くなるようなら、胃の大きさもありますので少々気にすればOKと助産師さんも言っていました。
また、1日量で言ったら、6回飲ませるところが7回になってしまった!100mlオーバーだ…といった日が必ず出てきます。
助産師さんのアドバイスとしては、全く問題ないと。その状態が3〜4日続かなければ、大抵の場合大丈夫!とのことです。
最初に言いましたが、1番確実なのは助産師さんに相談することです。気軽に相談できる環境にあるならばそれを活用しましょう。
ただ、「足りているのか?」とふと気になる場合は、神経質になりすぎず、この記事を参考にしてください!
授乳、そしてゲップ
授乳フォームは人それぞれ
ミルクの準備ができたら、いよいよ授乳です。赤ちゃんを優しく抱っこし、哺乳瓶を傾けて、ゆっくりと飲ませてあげましょう。
授乳フォームは人それぞれ研究の結果で1番やりやすい形に落ち着きます。正解はないので試行錯誤してください。ちなみに私はイス付属の頑丈なタブレット置きに授乳クッションを乗せて『かわいこ』を乗せています。膝と授乳クッションが接していないので身動きが取りやすいことと、高さが完璧です。
同じ椅子はなかなかお持ちでないと思いますが、膝と授乳クッションの分離は快適ですので参考にしてください。
注意する点としては、
- 乳首部分に空気が入らないような角度で哺乳瓶持つこと
- 乳首を口の奥まで差し込むこと
- 上唇と下唇を巻き込んでいたら唇をつまんで外に出してあげること(吸いダコができてしまいます)
- 乳首の空気穴を上にする

赤ちゃんがゴクゴクとミルクを飲む姿は、本当に愛おしいものです。ちなみに、慣れてくるとスマホをいじりながらあげてますww (もちろん愛はあります)
授乳中は、赤ちゃんの口からミルクが漏れてしまうこともあります。あらかじめ、ガーゼや手口ふきを首の周りにセットしておくと、服が汚れるのを防げます。
水分がふんだんに含まれている手口ふきを直に当ててると、洋服がびしょびしょになってママに怒られます。気をつけて下さい。
豪快なゲップはとても嬉しい
授乳が終わったら、ゲップをさせてあげましょう。ゲップをさせることで、赤ちゃんがお腹に溜まった空気を出し、吐き戻しを防ぐことができます。
- ゲップのさせ方:
- 片手で胸を支える方法: 手の大きいパパはやりやすいと格好で、新生児の頃におすすめです。赤ちゃんの胸を片手で支え、もう片方の手で背中を優しくトントンと叩くか、下から上にさすります。
- 肩にかける方法: 赤ちゃんの頭をパパの肩に乗せ、背中をさすったり、軽く叩いたりします。
- お腹の前で抱く方法: 赤ちゃんをパパのお腹の前で抱き、頭を支えながら背中をさすります。首がすわるまでは少しやりにくいです。
すみませんが、YouTubeの方が断然わかりやすいと思いますので、「新生児 ゲップ」で調べてみてください。
助産師さんによると、1ヶ月を過ぎた頃からにゲップをさせなくても大丈夫とのこと。出なかった空気は、おならとして出てきます。
1ヶ月未満でもおならとして出てはきますが、可能な限りゲップが出せると良いとのことでした。
哺乳瓶の洗浄と消毒:清潔第一
授乳が終わったら、哺乳瓶を洗浄し、消毒します。これも安全なミルクを作るうえでは、重要なことです。
- 洗浄: 授乳後、すぐに哺乳瓶を分解し、残ったミルクを捨てます。哺乳瓶、乳首、キャップなどを、ぬるま湯と哺乳瓶専用洗剤で洗います。哺乳瓶ブラシや乳首ブラシを使って、細かい部分まで丁寧に洗い、流水でよくすすぎ、洗剤を完全に洗い流します。
- 消毒: 煮沸消毒、電子レンジ消毒、薬液消毒など、様々な方法があります。こちらで記事にしていますので参考にしてください!


ちなみに我が家では哺乳瓶専用洗剤ではなく食器用洗剤を使っています、、
また、乳首ブラシもあるのですが、最近は哺乳瓶用ブラシを押し付けて洗っています、、 『はは』すまん。
3. ミルク作り&授乳の便利グッズ
ミルク作りや授乳をスムーズに進めるためには、便利なグッズを活用するのもおすすめです。
哺乳瓶:240mlのプラスチックがオススメです!


哺乳瓶ブラシ・乳首ブラシ: 哺乳瓶や乳首の洗浄には、専用のブラシが必要です。100均とかでも売ってるので、好きなものを使いましょう。我が家は無難にPigeonです。
消毒グッズ:先ほどと同じリンクです!


授乳クッション: 授乳クッションがあると、ママの腕や肩への負担を軽減できます。もし、授乳クッションがない場合は、どちらかの脚に毛布などを乗せ、右足と左足の間に赤ちゃんのお尻をはめるようにすると、赤ちゃんが安定します。
電気ポット: 70℃以上に保温できる電気ポットは、あると大変便利。眠たい夜などにもお湯を沸かす手間が省け、すぐにミルクを作ることができます。容量は2Lと3Lで値段差もなく迷うところですが、選ぶ際は、シンクの蛇口の高さを確認し、ポットに水を入れやすい高さのものを選びましょう。必ずしも大は小を兼ねないことも。


タイガーのPIMG220Kですが、停電時もお湯が出せたり、魔法瓶機能(電源繋がず保温)があったり、デジタル表記でお湯の量がわかったり、タイマーがあったり、スタイリッシュで便利です!! オススメ。3.0㍑もあります。
まとめ
ミルク育児は、ママだけでなく、パパも積極的に参加できる育児です。ミルク作りや授乳の手順を覚え、夫婦で協力して赤ちゃんを育てていきましょう。最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、慣れてくればスムーズにできるようになります。何よりも大切なのは、赤ちゃんの様子をよく観察し、愛情を込めて接することです。