〜夫婦で協力〜 父親育児基礎講座 シリーズは、
新生児〜生後4ヶ月頃を対象に「里帰りから戻ってきたママのために、自分も育児を頑張りたい!」「普段は仕事で忙しく育児の全体像がわかっていない」というパパのために、日々のルーティーンで行う育児をお伝えしていきます!
今回は「寝かしつけ」を徹底解説します!
育児の中でもトップクラスの難関である寝かしつけについて、リアルな現状と解決策、そしてとっておきの方法を伝授します!
このあと導入が少し続きます。寝かしつけの方法「オメガ巻き」を見たい方は、目次から飛んでください!
現状は?寝かしつけ戦争の最前線
事から帰宅し、夕食を済ませ、さあ、これから育児に参加するぞ!と意気込むパパたち。しかし、そこで待ち受けているのは、想像を絶する「寝かしつけ戦争」の最前線です。
寝かしつけは誰がやる? パパがやるメリットも!
ママ向け情報サイト『ママスタジアム』http://mamastar.jp/にて、『ママリサ~いまどきママリサーチ~』第27弾として、「子どもの睡眠・寝かしつけ」調査を調査をした記事が出てきました。
インタースペース
いまどきのママに実態を調査:ママリサ~いまどきママリサーチ~「子どもの睡眠・寝かしつけ」調査
https://www.interspace.ne.jp/press/1479.html
記事では、子どもの寝かしつけができる「パパ」が半数以上いるが、主に寝かしつけるのは「ママ」が94.4%、
寝かしつけにかかる時間、30分以上が6割、60分以上が15.6%ということです。
普段は仕事をして家計を支えているパパにとっては、家にいる時はやってほしいと言われても、普段から赤ちゃんと接しているママのほうが上手いのは仕方がないことで悔しいですね。
ただ、逆をいえばパパが寝かしつけができるようになれば、メリットはたくさんあるのです!
- 父子の絆を深める: 普段仕事をしていてあまり接することができないパパに取っては、寝かしつけの前に赤ちゃんと触れ合う時間が増え、信頼関係を築くことができます。
- 育児スキルの向上: 寝かしつけを通して、赤ちゃんのことをより深く理解し、自信と達成感も得られます。
- ママの負担軽減: 「やってほしい」ということはママは、想像以上に疲れている可能性があります。寝かしつけをパパが担当することで、ママは休息時間を確保し、睡眠不足を解消できます。
- 夫婦の協力体制強化: 育児は夫婦の共同作業。寝かしつけを分担することで、チームワークが強化され、夫婦の一体感が生まれます。
寝かしつけは本当に大変…
これは、もはや育児の合言葉と言っても過言ではありません。「寝てくれさえすれば…!」という切実な願いは、全パパの心の叫びでしょう。リビングの片隅で、あるいは寝室のベッドサイドで、腕の中の小さな命と向き合う時間。それは、愛おしさと同時に、果てしない持久戦の始まりでもあります。
赤ちゃんによって、寝つきの良さは本当に様々です。
「スムーズに寝る子もいる」という情報は、まるで都市伝説のように聞こえます。「何時間も格闘する」…それが、我が家の現実。抱っこして、ゆらゆら、トントン…あらゆる手段を尽くしても、なかなか寝付いてくれない。「うちの子は、一体いつになったら寝てくれるんだ…?」と、途方に暮れる夜も少なくありません。
巷の寝かしつけテクニック!
よく聞く寝かしつけの方法
巷には、様々な「寝かしつけテクニック」が出回っています。
「自分の泣き声の録音を聞かせると、安心して寝る」
「胎内音や心拍音を流すと、リラックスする」
「お尻や腰を優しくトントンすると、落ち着く」…。
藁にもすがる思いで、これらの方法を片っ端から試しました。しかし、効果はあったり、なかったり…。昨日はうまくいった方法が、今日は全く通用しない、なんてことも日常茶飯事です。
抱っこで泣き止み、入眠まで
まずは抱っこ。赤ちゃんが泣いている時は、抱っこして優しく揺らしてあげると、安心するのか泣き止むことが多いです。これは、寝かしつけの第一歩として、多くのパパにとって救いとなるでしょう。
続いて赤ちゃんを抱っこしながら、5分程度部屋の中を歩き回ってみましょう。一定のリズムで揺らされることで、赤ちゃんは「運ばれている」と本能的に認識し、安心して泣き止み、ウトウトしてくれることが多いです。ここまでは、比較的順調に進むことが多いです。
悪魔の「背中スイッチ」
そして、最も恐ろしいのが、「背中スイッチ」の存在です。抱っこでようやくウトウトし始め、「よし、このままベッドに…!」と、そーっと体を離そうとした瞬間…。「ギャー!」と、まるで火がついたように泣き出す赤ちゃん。あの瞬間の絶望感といったら…! それまでの努力が全て水の泡となり、再び振り出しに戻される。まるで、終わりなき迷宮に迷い込んだような気分です。
背中スイッチの正体
実は、背中スイッチが反応するタイミングは、背中が布団についた時だけではありません。多くの場合、親から体が離れた瞬間、つまり、抱っこしている腕を緩めたり、伸ばしたりした時にスイッチが入ってしまうのです。 試しに、赤ちゃんを抱っこしたままベッドに置かず、腕を伸ばした状態にしてみてください。背中が布団についていなくても、途端に泣き出すことがあるはずです。
対策は「熟睡」
背中スイッチを押さないためには、赤ちゃんを熟睡させることが重要です。赤ちゃんが眠り始めてから、少なくとも7〜10分間は抱っこを続け、完全に眠りにつくまで待ちましょう。焦らず、じっくりと時間をかけることが大切です。
『ちち』のやり方 5分以内入眠90%の実績!「オメガ巻き」
ここまでに紹介した寝かしつけの方法は一般的なものですが、ここからは我が家で効果絶大だった「オメガ巻き」という方法を紹介します!
これは、おくるみの考え方に近い方法です。首がすわって寝返りを始める頃まで(生後3〜4ヶ月)までが効果的です。
手順は以下の通り! ※おむつ交換やミルクは済ませておいてくださいね!
ベビーベッドと椅子を使った状態を前提に説明しています。他の場所で行う場合、②の表現が少し異なる場合がありますが、ご了承ください。
①オメガ(Ω)状に布を巻く:バスタオルなどの大きめの布を用意し、赤ちゃんの手と足を含めて、体の周りにΩ状に巻き付けます。 イメージとしては、赤ちゃんを包み込むような感じです。






②手足を軽く押さえる:赤ちゃんが泣いてバタバタしても、ある程度密着感が得られるように、手と足を軽く押さえます(ただし、押さえつけすぎには注意してください!)。

③親はモモ枕で寝る:パパも育児に疲れていると思うので、この際、赤ちゃんのモチモチの太ももを「まくら」にしてしまいましょう! (笑)
イメージとしては、赤ちゃんの股間に、自分の”こめかみ”をそっとうずめるような感じです。もちろん、体重をかけないように注意したうえで、密着する安心感を与えてあげましょう。ホントの枕みたいに寝ないでくださいね!

④1分間は我慢:最初の1分程度は、赤ちゃんが泣き続けるかもしれません。しかし、しばらくすると、フッと静かになる瞬間が訪れます。 ここが重要なポイントです! 静かになっても、すぐに離れてはいけません。
⑤顔だけそっと上げる:赤ちゃんが静かになり、目を閉じたかな?というタイミングで、手はそのまま、枕にしていた顔だけをそっと上げます。
⑥手もそっと離す:赤ちゃんの手足のバタバタが完全になくなり、落ち着いたなと感じてから1分ほど経ったら、そっと手を離します。

寝かしつけ完了…のはず!!
うまくいかない時は?
④の段階で3分以上泣き続けるようであれば、今回は諦めて、別の方法を試してみましょう。おむつやミルクに問題がないようであれば、我が家のやり方はみなさまの赤ちゃんには通用しませんでした。
- 一時中断: ずっと寝かしつけをしているとパパも疲れてしまいます。一度、赤ちゃんを安全な場所に寝かせて、深呼吸。気分転換してから再チャレンジしましょう。
- 夫婦で交代: ママと交代できる状況なら、バトンタッチ。
パパも寝かしつけをしたい!と思っても、頑張り過ぎないでくださいね。
この記事を見ているママも、頑張っているのに「パパは寝かしつけができない」と責めないであげてください。
「オメガ巻き」のメリットと注意点(重要!)
そして、この方法がおくるみと比べて優れている点は、途中で布を簡単に外せることです。 赤ちゃんが熟睡モードに入った後、Ωの両端をそっと引っ張ると、布だけを抜き取ることができます。
ずっと包まれたままだと、赤ちゃんも汗をかいてしまいますし、かといって、大きく動かすと起きてしまう可能性があります。
しかし、この方法なら、布を引っ張るだけでおくるみ状態を解除できるので、赤ちゃんも快適に眠り続けられます。
上にかける布団類については、こども家庭庁や日本小児科学会から様々な意見が出ているようです。
■こども家庭庁:布団類はかけずに着るもので体温調節する
https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/kenkou/sids
■日本小児科学会:上記に対して現実的でないと受け取られる可能性もあり、代替案のエビデンスにも欠ける
https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=160
いずれにせよ、赤ちゃんが布団類で顔を覆って窒息しないようにすることは必要ですので、寝かしつけの段階では赤ちゃんのそばに居てあげることが重要と考えています。(ずっと泣いている状態よりはそばにいるだけのほうが楽なのでは!)
赤ちゃんのもとから離れるときは、布を外すことのできる「オメガ巻き」のメリットを活かし、安全な状態で寝かしてあげましょう。
最後に
寝かしつけは、本当に大変な育児の一つです。
でも、父親だからこそできることもたくさんあります。
今回紹介した「オメガ巻き」も、ぜひ試してみてください。
我が家の『かわいこ』がいつもこれでストンと寝てくれるように、皆さんの赤ちゃんもぐっすり眠れることを願っています!
そして、全国のパパさん、一緒に育児を頑張りましょう!